2015年03月16日

15本目「エスター」


2009年アメリカ 監督 ジャウム・コレット=セラ 主演 イザベル・ファーマン

残忍!極悪!おまけに狡猾!
映画史上最恐の家なき子・エスターが平和な家庭を恐怖のドン底に叩き落とすサスペンスホラーの傑作!

3人目の子供を死産で亡くし悲しみに暮れるケイトとジョン夫妻は、養子を貰うことを決意。
下見のために孤児院を訪れた2人は、他の子供たちの輪に加わらず、ひとりぼっちで絵を描いている女の子・エスターに興味を引かれます。
大人の心理を読み切った巧妙なアピール術に見事ひっかかった若夫婦は、利発で愛らしい彼女に一目ぼれ。
「ウチの子にならない?」と前のめりにネゴシエート開始。
「うれしい〜」と言いつつも「わたしは変わり者なの」と一応自己申告するエスターでしたが、それが過小表現にも程があることを露知らぬ夫婦は「変わってるのは悪いことじゃないよ」と養子縁組を即決。
新しい家族として迎え入れます。
まんまと家に入り込んだエスターは、徐々に凶悪さを発揮。義理の兄妹を恫喝して支配下におさめると、邪魔な人間たちを次々排除していきます。
一体エスターは何者なのか?そしてその目的は・・・・

なぜか義母のケイトを敵視するエスターは、常軌を逸した陰湿な攻撃を次々仕掛けます。
さすがにエスターの異常さに気づき、家から追い出そうと夫やカウンセラーに必死に訴えるケイトでしたが誰も信じてくれません。
しまいには以前やらかした、末娘が池で溺れているのに泥酔していて気が付かなかった件まで蒸し返され、メンタルが崩壊寸前まで追い詰められます・・・
陰湿過ぎて逆に笑ってしまうほど粘着質な展開が続きますが、後半は一転して怒涛の展開。
強烈なラストシーンまで一気に疾走!かなりデリケートな問題を扱った内容だと思うんですが、最後までアクセル踏みっぱなしです。
本作最大のキモと言えばエスターの「正体」。
いくつかヒントがあるので途中でわかってしまう人もいるかもしれませんが、わかってからがさらに怖い。そしてちょっと哀れでもある。極悪人なのは間違いないですが、想像を絶する地獄を味わってきたことは想像に難くありません。
そんなエスターに説得力を持たせたイザベル・ファーマンの強烈な顔面力と演技力。表の顔と裏の顔が瞬時に切り替わるシーンは鳥肌ものです。撮影当時11歳だったとは思えない鬼気迫る名演でした。

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2015年03月13日

放送禁止 劇場版 洗脳 邪悪なる鉄のイメージ


2014年日本 監督 長江俊和 

「事実を積み重ねることが必ずしも真実に結びつくとは限らない」・・・

かつて深夜のお茶の間を恐怖と興奮のるつぼに叩き込んだカルト番組「放送禁止」、劇場版第三弾が遂にリリース!
「放送禁止」とは・・・「諸々の事情でお蔵入りとなったVTRを再編集し放送する」という体裁の、いわゆるフェイクドキュメンタリー番組で、一番の特徴は「隠された真相」があるという点。
映像のなかにいくつものヒントが散りばめられ、それらを解き明かすことによって、表面に出ていない真実に辿り着くことができるのです。
その真相というのが、人間の暗部を抉りだすような陰惨でエグみの強いものばかり。
テレビ版6話・劇場版は本作を含め3本製作されていて、特にテレビ版5話目「しじんの村」はオススメ。ヒントの意味するところに気づいた刹那、全身に鳥肌祭りが開催されるほどの衝撃が味わえます。

久々の新作となる本作ですが、今回は「一人の主婦に施された洗脳が解けるまでの一部始終を密着取材したドキュメンタリー」という設定です。

カリスマ料理研究家の久慈マリア。彼女には裏の顔があり、知り合った主婦たちの弱みを巧みに聞き出して主導権を握り、自分に絶対服従するように洗脳を施していました。
犠牲者のひとりである江上志麻子は、マリアに受けた洗脳がもとで家庭が崩壊。夫と離婚し、息子を火事で亡くし・・・すべてを失います。
それでもなお、マリアへの依存が消えない彼女を救うため、心理セラピスト・小田島霧花が「脱洗脳」を試みます。
志麻子の親友でビデオジャーナリストの鷲巣みなみは、治療の様子を逐一ビデオカメラで撮影。志麻子の元夫をはじめとする関係者にもインタビューを敢行しますが、その映像には気づかぬうちにある“真実”が映し出されていたのです・・・

本作は今までのシリーズ作のなかでも指折りの親切設計ですので、とりあえず最後まで観れば大きな謎はすべて解ける仕様となっております。
というわけで、鑑賞後にあれこれ考察する楽しみはもしかしたらだいぶ減ったかもしれません・・・まあ、個人的には自力で解けたことがないので偉そうなことは言えませんが!
しかし今回、中盤の展開がかなり衝撃的で、しかもその後の役者さんの演技が素晴らしかった!このシリーズに出てくる役者さんは上手い人が多いですが、今回は特に・・・ドキュメンタリータッチということでリアリティが水増しされている部分を差っ引いても良い演技だったんじゃないでしょうか・・・
普段こういうジャンルをまったく観ない人にもオススメできる作品です。
posted by 竹島書店おすすめ映画 at 22:06| Comment(0) | 日記

2015年03月12日

The EYE(アイ)


2002年香港・シンガポール 監督オキサイド・パン他 主演 アンジェリカ・リー

この映画、いきなり気の利いた仕掛けがありますので注意!
はじまったかと思うと画面にノイズが・・・
ディスクにキズでも入ってるのかと思い、イジェクトボタンを押しかけたその瞬間、XXXXX!(ネタバレのため伏字)
公開当時はいざ知らず、今となってはネットの恐怖動画などでよくある類の演出なんでしょうけども、何も知らないで観たので危うく失禁寸前に。寿命を数年分カツアゲされた気分です・・・

幼い頃視力を失った女性、マン・ウォン(アンジェリカ・リー)。20歳になり、念願の角膜移植手術を受けた彼女は視力を取り戻し順調に快復していくが、やがて他の人間には見えないモノが見えていることに気づく。それは現世に想いを残した幽霊たちの姿だった。霊能者にお祓いしてもらうがまったく効き目がない。移植した角膜に原因があると考えたマンは、心理カウンセラーのワ・ローと共に、ドナーの素性を調べ始めるのだが・・・

「女優霊」「リング」「呪怨」などの、90年代末〜ゼロ年代初頭を賑わしたJホラーの名作に影響を受けたと思われる本作ですが、単なる模倣ではなく非常にオリジナルな味わいのある傑作です。
珍しいなと思ったのが、出てくる幽霊が攻撃的な怨霊ではなく、基本ぼんやり突っ立ってるだけの無害な存在であること(たまに襲いかかってくるヤツもいますが)。
それでも演出が巧いので出てくると非常に怖いんですが、怖い以上に何か哀れを誘う存在として描かれています。ラーメン屋の店先で、吊るした焼豚 (?)をベロンベロン舐める子連れの女幽霊には笑いましたが・・・あのラーメン屋でチャーシューメンは喰いたくないなあ。どんな遺恨を残して死んだのか、想像してみるのも一興です。
もちろん一番可哀そうなのはヒロインのマンさんで、何も悪いことをしていないのにひたすらひどい目に遭います。せっかく目が見えるようになったのに幽霊まで見えるようになってしまい、「見えないままの方がよかった」と号泣・・・たまに顔の角度の具合によっては女装した成宮真貴に見えなくもないですが、美人です。
中盤にちょっとしたどんでん返しがあり、それをきっかけに物語は急展開するわけですが、このあたりでもうラストに至る流れが予想できてしまう人もいるかもしれません。
かくいう自分も予想していたとおりになりましたが、最後まで観たら「えっ?そういう終わり方するんだ?」とちょっと唖然としました。まあ、そこも普通と違った作品として印象に残るところではあります!
posted by 竹島書店おすすめ映画 at 15:05| Comment(0) | 日記