2015年04月07日

17本目「イコライザー」


2014年アメリカ 
監督 アントワーン・フークア 出損 デンゼル・ワシントン クロエ・グレース・モレッツ

昼は冴えないホームセンターの従業員が、夜は許せぬ悪を討つ処刑人に変身!
しかしてその正体は、元CIAの凄腕エージェント!
秒単位で敵を殲滅する恐怖の殺人技!アカデミー俳優デンゼル・ワシントンが、可憐な少女を食い物にする外道どもに正義の鉄槌を下すハードアクション。


※以下ネタばれがありますのでご注意ください!




本作でデンゼルが演じるマッコール(以下、マッコさん)は、普段はホームセンター勤務のしがない従業員。物静かで穏やかな人柄で同僚たちの信頼を集めています。非常に几帳面、というか強迫神経症に近いきれい好き、整理整頓好き。毎朝ていねいに剃りあげる、皺の寄ったチョコボールのようにツヤる頭部がチャームポイント。重度の不眠症で、毎日のように深夜営業のダイナーを訪れては決まった席で読書にふけるのが日課。(その際もテーブル上の食器を自分ルールの配置に整えなおす姿が印象的)
わざわざダイナーに来て本を読む姿からはマッコさんの抱えた孤独感が滲み出すようです。深夜のダイナーに集う人たちを描いたエドワード・ホッパーの絵画「ナイトホークス」を思い出させる場面ですが、特に何か注文するわけでもなく、お湯だけもらって持参したティーバッグでお茶を飲んでいるという迷惑な客でもあります。特に文句も言われていないのが不思議ですが、人柄の賜物か、または過去になんらかのトラブルを解決してやったことでもあるのか・・・
そんなある日、ダイナーでたまに会話を交わす仲の10代の娼婦テリー(クロエ・グレース・モレッツ)が、ポン引きに殴られているところを目撃。マッコさんは単身、売春の元締めであるロシアンマフィアのアジトに殴り込み!
「カネを払うからテリーを解放してやれ」とりあえず穏便な方法でアプローチするマッコさんですが、鼻で笑う悪党たちに対し遂にその本性を解禁!
敵の人数・武装・店内の武器になりそうなものを瞬間サーチ。おもむろにストップウォッチのボタンを押し、殺戮スタート!
黒い颶風と化したマッコさんのデンゼル無双が炸裂!無駄のない機械のような動きであっというまに皆殺し完了。
「19秒か・・・」イマイチかな?と眠そうな顔で肩をすくめるマッコさん。スティーブン・セガール並みの余裕&無敵っぷりです。格好いいのですがどことなく、というか明確にサイコパスな香りが漂ってきます・・・。デンゼルのフィックス声優・大塚明夫さんが相変わらずのイイ仕事なので吹き替えも必見です。
家に帰ったマッコさん、「アーッ、やっぱ人殺しっていいな・・・」と思ったかどうか知りませんが、適度に運動した後の心地よい疲労に久しぶりの熟睡です。
実はマッコさん、元CIAで数々のダーティワークをこなした殺人のプロ。最愛の奥さんの死をきっかけに汚れ仕事から足を洗い、死を偽装してひっそりと暮らしていた・・・というよくあるパターン。この事件をきっかけに、マッコさんは街のあちこちで暴力ボランティアを開始。ある時は汚職警官をとっちめ、ある時は自分の職場であるホームセンターに押し入った強盗が奪っていった、レジのおばちゃんのお母さんの形見の指輪を取り返し・・・この際、足のつかない凶器として職場からハンマーを拝借。また売り場に戻すんですがまだ血が付いているのでフキフキしながらラックにかけて・・・って血ぐらい拭いてきましょう!その前に売り場に戻さないで〜!この辺もマッコさんの異常さが香り立つ巧い演出。なのか?
さて、おさまらないのは仲間を大量に殺されたマフィアたち。このままじゃシノギが成り立たねえ!と、本国ロシアから超一級のトラブルシューター・ニコライが送り込まれてきます。ロシアの特殊部隊スペツナズ出身で、頭の切れる冷酷なサディスト。抜群の嗅覚でマッコさんの存在を突き止め、自宅を奇襲したまではよかったがいかんせんマッコさんの力量(とサイコ度)を見誤っていた。
やすやすと難を逃れたマッコさんは、CIA時代の同僚にコンタクトし、敵の詳細情報をゲット!マフィアに対し億万倍返しとも言える反撃に出ます。
次々潰されていくマフィアの資金源。業を煮やした本国に圧をかけられたニコライは、マッコさんの勤めるホームセンターをジャックして同僚たちを人質に取り、マッコさんをおびき寄せます。
重武装のマフィア軍団VS丸腰のマッコさん。絶望的な戦力差・・・と思われましたがどっこいマッコさんの戦闘スキルはそんな甘いものではなかった!
勝手知ったる職場の中、しかも売り場には武器には早変わりするDIY商品が山ほど・・・罠をしかけたつもりが、窮地に追い詰められたのはマフィアの方だったのです。
闇に潜み、様々なトラップを駆使するマッコさんに次々と息の根を止められるマフィアたち。その様は、まるでホームセンター版「プレデター」。ほぼ一方的な殺戮に、マフィアが気の毒になってくる逆転の展開。ラスボスのニコライはそこそこ頑張りますが、最期はあり合せの材料で作ったダートガン(?)で穴だらけにされ、ジ・エンド。
しかしまあ、これだけの大量殺戮をしたらマッコさんもただじゃすまないだろう・・・職場のみんなにも正体バレちゃったし・・・と思っていたらラスト、自分ちで普通に生活していたんでビックリ。元同僚に手を回してもらったんでしょうか?ちょっと腑に落ちませんが、そこへすっかり元気を取戻し、ナチュラルメイクになったクロエさんがお礼を言いに登場。その可愛らしさに細かいことはどうでもよくなりました!
今振り返ってみると要するに「タクシードライバー」ミーツ「必殺仕事人」的な話のような・・・いや全然違う気もしますが、アクション映画としては長すぎるこの作品、解説サイトによればその冗長な部分にこそ単なる娯楽作品に留まらない深い含蓄が隠されているのだとか。色々な観かたができる作品ということなんですが、まあそんなに小難しく考えなくても十分楽しめると思います!
posted by 竹島書店おすすめ映画 at 17:27| Comment(0) | 日記