2015年03月21日

16本目「フリーウェイ」

1996年アメリカ 監督 マシュー・ブライト
出演 リース・ウィザースプーン キーファー・サザーランド

オリバー・ストーン製作総指揮、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」テイストで描く現代版「赤ずきん」。スカッと爽快なハイテンション血みどろ青春コメディの隠れた傑作です。

話もおもしろいんですが、見どころはなんと言っても「24」ブレイク前夜のキーファー・サザーランドによる突き抜けた発狂演技。ジャック・バウアーとは正反対の、10代の少女ばかりつけ狙う変態殺人鬼を心底楽しそうに演じています。
そもそも当初「連鎖犯罪」という内容と1ミリもかすらない邦題でリリースされた本作ですが、「24」人気を当て込んでタイトル変更のうえ再発。もともとは違う人が吹替えていたのが、どうせならと“もう一人のジャック”こと小山力也さんを起用!このナイスな判断によりスペシャルなケミストリーが発生、「顔も声もジャック・バウアー、でも中身は変態さん」という笑撃のキャラクターが誕生したのです!ぜひ吹き替え版でご鑑賞ください!


※以降、ネタバレしていますので鑑賞後にお読みください!



自宅前の路上で立ちんぼして日銭を稼ぐ母親と、毎日のように性的イタズラを仕掛けてくる義理の父親という最低な家庭環境で暮らす女子高生ヴァネッサ(リース・ウィザースプーン)。「もーれつア太郎」のデコッ八並みの3Dなオデコの持ち主だが、容積に反比例して勉強は全くできない。
そんなどんづまりな毎日を根っからの楽天主義で明るくサバイブするヴァネッサだったが、ある日両親が警察にパクられ、自分も里親に引き取られることになってしまう。
以前引き取られた先で認知症のジイさんにレイプされそうになったことがあるヴァネさん、二度とごめんだと福祉局のオバちゃんをペテンにかけ逃走。遠くに住むおばあちゃんを訪ねることにする。
黒人の彼氏に別れを告げ、餞別に拳銃を貰ったヴァネさんは一路おばあちゃんの家を目指すが、いくらもいかないうちに車がエンコ、フリーウェイで立ち往生してしまう。
そこに現れた紳士的な物腰の男・ボブ(キーファー・サザーランド)。CTUに入る前とあって全体に締まらない感じだが、顔と声(吹替え)はジャック・バウアーそのもの。
「どうしたんだィ?」(小山ヴォイスでお読みください)と声をかけられ、事情を告げると「それは大変だったネ。途中までボクが送っていってあげるョ」と言われ喜んでボブの車に乗り込むヴァネさん。
ところが道中、ボブの正体が世間を騒がせている10代の少女を狙った連続殺人鬼であることが発覚!ヴァネさんの命も風前の灯かと思われたが、彼氏に貰った銃を突き付けて形勢逆転!
「撃たないでくれィ!ボクは病気なんだョ!お金をあげるから殺さないでくれョ!」ビビリまくりひたすら命乞いをするキーファー=小山さんの演技が素晴らしすぎてこっちの腹筋は断裂寸前!
なにしろ小山さんと言えばジャックとか「ウォーキング・デッド」のダリルとか男前なキャラクターばかり演じているイメージ。こんなみっともない役はかなり珍しいのではないでしょうか。
人気のない空き地に車を止めさせたヴァネさん、銃を突きつけたまま「アンタ神様ってホントにいると思う?」「なんだィその質問は!?怖いこと聞かないでくれョ〜(泣)」小山さんの演技が巧すぎてなんか本当にかわいそうだな〜と思った矢先、そんなことを露ほども思わないヴァネさんの銃が容赦なく火を吹く!
首筋から血を噴き出して倒れるボブ。一仕事終えたヴァネさんは腹が減ったので深夜営業のダイナーに行くが、返り血を浴びて真っ赤だったので即通報され、お縄に。
「あいつは殺人鬼なのよ!これ以上犠牲者が出ないようにやっつけてやったのよ!」と主張するヴァネさんだが、誰も信じてくれず少年院送りに。
罪状は殺人未遂・・・未遂。そう、どっこいボブは生きていた!
実は奥さん(ブルック・シールズ)もいるかなりの資産家だったボブ、手術で命は取り留めたものの顔が変形し、昔のコントによくある釣り針がほっぺたにひっかかった釣り人みたいなファンタスティックなご面相になってしまった。あんまりにもあんまりなビジュアルなのでこれだけでも一見の価値あり。何か言うごとにフガフガしてよだれをダーッと垂らしながらも執念深く復讐の機会を窺うボブ。
一方ヴァネさんは貼りつけたような笑顔が怖い院長の監視のもと更生の毎日を送っていたが、スケ番に絡まれて反撃、ボコボコにする。少年漫画のように友情が芽生えた2人は協力して脱獄。ヴァネさんはもともとの目的地、おばあちゃんの元に向かうがそこにはボブが待ち受けていた・・・!

ブラック過ぎて確実に人を選ぶと思いますが、観て損はないと思うのでオススメします!
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2015年03月16日

15本目「エスター」


2009年アメリカ 監督 ジャウム・コレット=セラ 主演 イザベル・ファーマン

残忍!極悪!おまけに狡猾!
映画史上最恐の家なき子・エスターが平和な家庭を恐怖のドン底に叩き落とすサスペンスホラーの傑作!

3人目の子供を死産で亡くし悲しみに暮れるケイトとジョン夫妻は、養子を貰うことを決意。
下見のために孤児院を訪れた2人は、他の子供たちの輪に加わらず、ひとりぼっちで絵を描いている女の子・エスターに興味を引かれます。
大人の心理を読み切った巧妙なアピール術に見事ひっかかった若夫婦は、利発で愛らしい彼女に一目ぼれ。
「ウチの子にならない?」と前のめりにネゴシエート開始。
「うれしい〜」と言いつつも「わたしは変わり者なの」と一応自己申告するエスターでしたが、それが過小表現にも程があることを露知らぬ夫婦は「変わってるのは悪いことじゃないよ」と養子縁組を即決。
新しい家族として迎え入れます。
まんまと家に入り込んだエスターは、徐々に凶悪さを発揮。義理の兄妹を恫喝して支配下におさめると、邪魔な人間たちを次々排除していきます。
一体エスターは何者なのか?そしてその目的は・・・・

なぜか義母のケイトを敵視するエスターは、常軌を逸した陰湿な攻撃を次々仕掛けます。
さすがにエスターの異常さに気づき、家から追い出そうと夫やカウンセラーに必死に訴えるケイトでしたが誰も信じてくれません。
しまいには以前やらかした、末娘が池で溺れているのに泥酔していて気が付かなかった件まで蒸し返され、メンタルが崩壊寸前まで追い詰められます・・・
陰湿過ぎて逆に笑ってしまうほど粘着質な展開が続きますが、後半は一転して怒涛の展開。
強烈なラストシーンまで一気に疾走!かなりデリケートな問題を扱った内容だと思うんですが、最後までアクセル踏みっぱなしです。
本作最大のキモと言えばエスターの「正体」。
いくつかヒントがあるので途中でわかってしまう人もいるかもしれませんが、わかってからがさらに怖い。そしてちょっと哀れでもある。極悪人なのは間違いないですが、想像を絶する地獄を味わってきたことは想像に難くありません。
そんなエスターに説得力を持たせたイザベル・ファーマンの強烈な顔面力と演技力。表の顔と裏の顔が瞬時に切り替わるシーンは鳥肌ものです。撮影当時11歳だったとは思えない鬼気迫る名演でした。

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2015年03月13日

放送禁止 劇場版 洗脳 邪悪なる鉄のイメージ


2014年日本 監督 長江俊和 

「事実を積み重ねることが必ずしも真実に結びつくとは限らない」・・・

かつて深夜のお茶の間を恐怖と興奮のるつぼに叩き込んだカルト番組「放送禁止」、劇場版第三弾が遂にリリース!
「放送禁止」とは・・・「諸々の事情でお蔵入りとなったVTRを再編集し放送する」という体裁の、いわゆるフェイクドキュメンタリー番組で、一番の特徴は「隠された真相」があるという点。
映像のなかにいくつものヒントが散りばめられ、それらを解き明かすことによって、表面に出ていない真実に辿り着くことができるのです。
その真相というのが、人間の暗部を抉りだすような陰惨でエグみの強いものばかり。
テレビ版6話・劇場版は本作を含め3本製作されていて、特にテレビ版5話目「しじんの村」はオススメ。ヒントの意味するところに気づいた刹那、全身に鳥肌祭りが開催されるほどの衝撃が味わえます。

久々の新作となる本作ですが、今回は「一人の主婦に施された洗脳が解けるまでの一部始終を密着取材したドキュメンタリー」という設定です。

カリスマ料理研究家の久慈マリア。彼女には裏の顔があり、知り合った主婦たちの弱みを巧みに聞き出して主導権を握り、自分に絶対服従するように洗脳を施していました。
犠牲者のひとりである江上志麻子は、マリアに受けた洗脳がもとで家庭が崩壊。夫と離婚し、息子を火事で亡くし・・・すべてを失います。
それでもなお、マリアへの依存が消えない彼女を救うため、心理セラピスト・小田島霧花が「脱洗脳」を試みます。
志麻子の親友でビデオジャーナリストの鷲巣みなみは、治療の様子を逐一ビデオカメラで撮影。志麻子の元夫をはじめとする関係者にもインタビューを敢行しますが、その映像には気づかぬうちにある“真実”が映し出されていたのです・・・

本作は今までのシリーズ作のなかでも指折りの親切設計ですので、とりあえず最後まで観れば大きな謎はすべて解ける仕様となっております。
というわけで、鑑賞後にあれこれ考察する楽しみはもしかしたらだいぶ減ったかもしれません・・・まあ、個人的には自力で解けたことがないので偉そうなことは言えませんが!
しかし今回、中盤の展開がかなり衝撃的で、しかもその後の役者さんの演技が素晴らしかった!このシリーズに出てくる役者さんは上手い人が多いですが、今回は特に・・・ドキュメンタリータッチということでリアリティが水増しされている部分を差っ引いても良い演技だったんじゃないでしょうか・・・
普段こういうジャンルをまったく観ない人にもオススメできる作品です。
posted by 竹島書店おすすめ映画 at 22:06| Comment(0) | 日記